コンブチャとキムチの違いとは?「紅茶発酵」と「野菜発酵」を比べてみよう

コンブチャとキムチ。

一見するとまったく違う食品ですが、実はどちらも「微生物の働き」を活かしてつくられる発酵食品です。

では、コンブチャとキムチでは、何が違うのでしょうか?

簡単にいうと、

コンブチャは、お茶と糖を酵母菌・酢酸菌などの働きによって発酵させるもの。

一方、

キムチは、野菜を塩や香辛料とともに漬け込み、主に乳酸菌の働きによって発酵させる食べものです。

同じ「発酵」でも、原材料、微生物、発酵方法、味わいは大きく異なります。

今回は、コンブチャとキムチの違いから、世界に広がる発酵文化についてご紹介します。



コンブチャとは?

コンブチャ(Kombucha)は、お茶に糖を加え、SCOBYと呼ばれる酵母菌や酢酸菌などの微生物の働きを利用して発酵させるものです。

発酵が進むにつれて、お茶の味わいに自然な酸味や香りが加わり、製造方法によっては微炭酸を感じることもあります。

現在では、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパをはじめ世界各地でつくられ、クラフトドリンクの一つとして親しまれています。

SCOBY TEAでは、農薬不使用の茶葉と自然由来の素材を使い、発酵の状態を確認しながら一本一本丁寧に仕込んでいます。

非加熱・無濾過で仕上げることも、SCOBY TEAが大切にしているものづくりの一つです。



キムチとは?

キムチは、白菜や大根などの野菜を塩漬けし、唐辛子、にんにく、生姜などの材料と合わせて発酵させる、韓国を代表する発酵食品です。

発酵にはさまざまな微生物が関わりますが、キムチの発酵を特徴づけるものの一つが乳酸菌です。

発酵が進むにつれて乳酸が生まれ、キムチ特有の酸味や複雑な香りが形成されていきます。

作りたての比較的フレッシュなキムチと、発酵が進んだキムチでは、香りや酸味も変化します。

つまりキムチも、時間と微生物によって味が育っていく食品なのです。



コンブチャとキムチの大きな違い

コンブチャとキムチを比較すると、主に次のような違いがあります。

コンブチャ

・主原料:茶葉、糖、水
・主に関わる微生物:酵母菌、酢酸菌など
・形:飲料 ※コンブチャ自体の説明で
・味わい:酸味、お茶の香り、フルーティーな風味など
・文化:世界各地でクラフト飲料として発展

キムチ

・主原料:白菜、大根などの野菜
・主に関わる微生物:乳酸菌など
・形:食品
・味わい:酸味、辛味、旨味、香辛料の香り
・文化:韓国の食文化を代表する伝統的な発酵食品



発酵に関わる微生物の違い

発酵食品の個性をつくっている大きな要素の一つが、微生物です。

コンブチャでは、酵母菌や酢酸菌など複数の微生物が関わりながら発酵が進みます。

酵母菌が糖を利用し、そこから生まれた成分をさらに酢酸菌などが利用することで、コンブチャ特有の酸味や香りが生まれていきます。

一方、キムチでは乳酸菌が重要な役割を担っています。

乳酸菌が糖を利用して乳酸をつくることで、キムチならではの爽やかな酸味が生まれます。

つまり、「発酵」という大きなカテゴリーは同じでも、

どの微生物が働くのかによって、できあがる食品はまったく違うものになるのです。



なぜ発酵すると酸っぱくなるの?

コンブチャにもキムチにも、発酵が進むと酸味が感じられるという共通点があります。

しかし、酸味が生まれる仕組みは同じではありません。

コンブチャでは、酢酸菌などの働きによって酢酸をはじめとする有機酸が生まれます。

キムチでは、乳酸菌によって乳酸がつくられます。

そのため、どちらも「酸っぱい発酵食品」ではありますが、香りや酸味の質は異なります。

この違いを味わうことも、発酵食品のおもしろさの一つです。



「SCOBY」と「乳酸菌」は同じもの?

「コンブチャも発酵食品なら、SCOBYは乳酸菌ですか?」

という疑問を持つ方もいるかもしれません。

SCOBYとは一般的に、

Symbiotic Culture Of Bacteria and Yeast

の頭文字から呼ばれる、細菌と酵母などが共生する培養体を指します。

SCOBYは、一種類の菌そのものの名前ではありません。

コンブチャでは、この微生物たちが関わり合いながら発酵が進んでいきます。

一方、キムチでは乳酸菌が発酵の中心的な役割を担っています。

ここはコンブチャを理解するうえで、とても重要な違いです。



世界にはどんな発酵食品がある?

発酵文化は、特定の国だけに存在するものではありません。

世界を見渡すと、さまざまな発酵食品があります。

日本には、

味噌
醤油
納豆
甘酒
漬物

などがあります。

韓国には、

キムチ
コチュジャン
テンジャン

などの発酵文化があります。

ヨーロッパには、

チーズ
ヨーグルト
サワードウ
ザワークラウト

などがあります。

そして飲みものにも、

コンブチャ
ケフィア
発酵茶
発酵酒

など、さまざまな発酵文化があります。

使われる素材や微生物は違っても、

自然界に存在する微生物の力を借り、時間を使って食べものを変化させる。

この考え方は世界の発酵文化に共通しています。



発酵は「保存」だけではなく「味をつくる技術」

発酵というと、「昔の保存方法」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

もちろん発酵は、食べものを保存するための知恵として発展してきた側面があります。

しかし発酵のおもしろさは、それだけではありません。

微生物が働くことで、

香りが変わる。

酸味が生まれる。

甘みが変化する。

旨味が生まれる。

食感が変わる。

同じ素材でも、発酵という時間を通過することで、まったく違う表情を見せてくれます。

発酵とは、人間がすべてをつくるのではなく、

「微生物と一緒につくる料理」

ともいえるかもしれません。



コンブチャとキムチ、どちらがいい?

どちらが優れているというものではありません。

コンブチャとキムチでは、そもそも楽しみ方が異なります。

爽やかな酸味のお茶由来の発酵ドリンクを楽しみたいときはコンブチャ。

食事の中で、野菜の旨味や辛味、乳酸発酵ならではの酸味を楽しみたいときはキムチ。

日本の味噌や甘酒も同じです。

一つの発酵食品だけを選ぶのではなく、

世界に存在するさまざまな発酵文化を食卓の中で楽しむ。

それこそが、現代だからできる新しい発酵との付き合い方なのではないでしょうか。



SCOBY TEAが考える「発酵のある暮らし」

SCOBY TEAが伝えたいのは、発酵を難しいものとして考えることではありません。

味噌汁を楽しむ。

キムチを食べる。

甘酒を味わう。

そして、コンブチャを楽しむ。

世界には、私たちがまだ知らない発酵文化がたくさんあります。

微生物は目には見えません。

けれど、その小さな存在が、お茶や野菜、お米などの素材に新しい香りや味わいを生み出しています。

SCOBY TEAは、コンブチャを通じて、

発酵はもっと自由で、美味しく、楽しい。

そんな体験を届けていきたいと考えています。

日本に古くから存在する発酵文化と、世界で広がるクラフトコンブチャの文化。

その両方を知ることで、発酵という世界はもっとおもしろくなります。